”とっつきやすいAI”と”とっつきにくいAI”

初めに

まずはAI labのスタートを祝福します。 アドバンスト・メディアの森脇です。今回からコラムをお送りします。
私のプロフィールは別に見て頂くとして、私は現在、音声認識の専門企業:アドバンスト・メディアで主にコンタクトセンター向けにAI対話ソリューションの立上を行っています。
お客様は金融から製造、エネルギー、通信、サービスまで様々です。
主な商流は、 当社>ベンダー>ユーザー企業>ユーザー企業のお客様 が多いです。
このコラムでは、技術解説や未来のシンギュラ話しでも理想でもなく、今のAIソリューションの現場事情を書いてみたいと思います。

昨今のAIブーム:なにを思い浮かべます?

Watson?Pepper?Siri?ですかね? 他に、マイクロソフトりんな?Zo?Amazon Echo/Alexa・・色々出ましたね。
AIブームと言われて1年が過ぎ、いろいろな現実が判ってきました。
あれだけ珍しがられて喜ばれたPepperが今では色々なところで項垂れてますよね。可愛そうに。。
Siriも騒がれましたが、常時使う人を見た事がないです。
Watson?一部の金融系コンタクトセンターで運用が開始されていますが、実はまだまだ限定的で、一般に想像されている使い方とは程遠いです。

一方で、IBMが気象情報提供開始を発表したり、医療の業界でもAIの活用で病因を示唆したりと、活用が進んでいますね。

何が違うのでしょうか。 上記のケースだと異なるのは”対話”があるかどうかですね。 今だけは”対話系AI” と ”計算予測系AI” と別けて言いましょうか。
”対話系AI”、”計算予測系AI”  この後出てきますから覚えておいて下さい。

さて、そもそもAIの定義って何?

なんでしょう。Wikiを検索してみると、下記の様に書いてあります。
「人工的にコンピュータ上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、或いはそのための一連の基礎技術を指す」
以前、某大学の有名な教授が仰ってました。
「初期は日本語文字変換もAI変換と言われていた。 しかし、技術が成熟し一つの分野として確立された時、AI技術とは言われなくなる」
そうです。日本語変換のみならず、検索システム(Google等)も日本語変換も手書きもOCRも音声認識も音声合成もAI技術なんですよね。

これら一連の基礎技術を整理して人の機能に例えてみましょう。

・耳:音声認識、アレイマイク、ノイズキャンセル、声紋認証
・頭:意図解釈、検索、オントロジー
・ことば:辞書データ(音声認識、意図解釈)の蓄積、類義語等の定義
・知識:DBやドキュメント、タスク・業務処理情報、外部とのAPI接続
・顔:ロボット、ディスプレイ
・目:カメラ、顔認識、図形認識、文字認識
・声:音声合成
・手足:ロボティックス
・学習:ログを成否に分けて辞書や知識にフィードバック

こんなところでしょうか。

Pepperは頑張っている

実はPepperの様な人型音声対話ロボットって上記の技術の殆どが組み込まれていて、「こんにちわ!」といった瞬間に、全てがリアルタイムで処理され、「○○さんこんにちは!」 と、あの声で身振り手振り入れて返答してくれるわけです。 この高度な連続処理が対話をしている間、ずっと続きます。
何処か一カ所品質が悪いとそこがボトルネックになり品質を下げます。
あーこわ。あーリスク高っ。 結構スゴイですよね。 Pepperが少し可愛く見えてきませんか?
そうこれが”対話系AI”です。

一方、”計算予測系AI”はもう少し静的なデータを元に取り組むもの でしょうか。
”過去の膨大なデータ・要素”と、”その時の結果”の因果関係を計算で探し、で”は今回は○○”だから”□□になる可能性が高い”という、超高度な計算だけで結果が生まれる系です。 ”対話系AI” に比べたらやる事が少なくて少し楽かもですね。 しかも、気象予報、市場予報、病気の予測等に上手く使えると、道端や店先で項垂れてるアイツより効果が大きそうですね。

【結論】
ここで今回のタイトルを意識すると、こんな感じで整理できそうです。

・とっつきやすいAI=”計算予測系AI”=ほとんど計算のみ=専門性が活かせる=コンピュータ内で実施可=費用小

・とっつきにくいAI =”対話系AI”=複数ノウハウの塊=いろんな専門性が必要=フィールドで情報収集とFB必要=費用大

Watsonって計算結果を出すだけなのに、Pepperって身振り手振りして、話すし表情変えるし結構頑張っているんですよね。

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