資産運用は人工知能にお任せ…知識ゼロでも始められるAI投資の今

すでにAI株価予測で投資家は利益を得ている

銀行、保険、証券など金融分野で人工知能を活用したサービスが広がるなか、AIを活用した資産運用がより身近なものになってきた。銘柄選別をAIに委ねる「AI投資」が投資家の人気を集めており、証券会社も相次いでAIを使った個人向けの商品やサービスの提供を始めた。

例えばマネックス証券は2017年4月より、AIを活用して作成した月次レポートを提供。世界の景況感を天気予報形式で表現し、それぞれの地域の景況感を偏差値で算出した上で株式や債券などへの投資スタンスを「◎・○・△」の3段階でスコアリングしている。

一方、SBI証券は米国の主要500社の決算発表内容を日本語に翻訳して速報するサービスを行っている。これまで人間が翻訳すると丸1日ほどかかっていたが、AIを活用することで最速なら開示から数分で配信されるという。

AIによる株価予測を提供しているのは大和証券だ。AIが3月期決算企業の通期決算発表を分析し、1カ月後の株価動向を予測。東証株価指数(TOPIX)を上回って株価が推移すると予測した銘柄リストを顧客に提供した。実際にAIが選んだ銘柄は2017年5月に示されたが、平均騰落率はTOPIXを5.42%上回ったという(20営業日目の終値時点)。

そもそもAIと金融は相性が良いといわれている。機械受注や有効求人倍率などの経済指標をはじめ、ニュースやネットの書き込みなど、AIの学習に必要不可欠なデータが大量に存在しているからだ。大量のデータを瞬時に分析して、未来予測を図る。そんなAIの“本質”が十二分に生かされる分野というわけだ。

ロボアドバイザー出現でトレーダーはいなくなる?

資産運用でAIを活用したさまざまなサービスが登場しているなか、最も手軽に感じられるのはロボアドバイザーではないだろうか。ロボアドバイザーとは、ネットやアプリを通じてAIが資産管理や資産運用のアドバイスを行うシステム・サービスのこと。資産運用に関わる全プロセスを自動化してくれるため、知識や手間をかける必要がないのだ。

例えば、ウェルスナビが提供する「WEALTHNAVI(ウェルスナビ)」では、顧客に合ったポートフォリオの構築に始まり、積み立てや発注、再投資もすべて自動化してくれる。税金処理の最適化も含まれており、顧客は指定口座に入金するだけで、国内外で分散投資ができるのだ。

お金のデザインが提供する「THEO(テオ)」も投資一任運用サービスだ。前出のWEALTHNAVIと同様に、ポートフォリオの構築から買い付けなどを自動的に行い、常に最適なパフォーマンスを発揮できる状態に保ってくれるそうだ。最低開始金額が1万円という点からも、最も始めやすいロボアドバイザーといえるかもしれない。

さまざまなサービスが開始され、AI投資が身近になっている昨今、資産運用においてすでにAIが人間を上回っているとの見方も出てきた。

「日経マネー」(電子版2017年4月17日付)の記事「人は短期ではもう勝てない?AIが資産運用の主役に」で、金融情報会社RPテックの取締役・櫻井豊氏はこう語っている。

<少なくとも短期の取引で、人間のトレーダーが駆逐されていくのは間違いないと思います。超高速トレードはもちろんですが、10分とか、あるいは1時間から数時間のトレードは、AI技術を使った研究が進むと、ほとんど人間はかなわなくなるというのが個人的な印象です>

驚異的な分析能力と取引速度を武器に、金融分野で存在感を増しているAI。「資産運用はすべてAIに任せる」という未来は、もうそこまで来ている。